『フライの雑誌第48号』の内容の一部
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特集◎ああ、管理釣り場(釣り堀)
どこが違う、管理釣り場(釣り堀)と一般釣り場
木住野勇 樋渡忠一 司会=中沢 孝
あらためて考えてみると、「管理釣り場」ってヘンな言葉ですね。いわゆる「釣り堀」だと考えていいと思いますけど、だれが最初に使った言葉なんでしょうね。
木住野 「管理釣り場」が何を管理してるのかというと、たぶん「魚を管理している」ということなんでしょうね。
しかし、ふつうの釣り場も漁協が(魚を)管理してるわけでしょ。
木住野 漁協の遊魚券を買って入る「一般釣り場」と、いわゆる「管理釣り場」との境はかなり曖昧ですね。
今ある管理釣り場をそれぞれ色分けできますか。
木住野 まず、池などの止水を利用したところと、川の一部区間を利用したところがある。池の場合はだいたいが人工池で、元々は何もいないところに魚を持ってきてドバッと放流して成り立ってる。それに対して川の場合は、元々ある程度魚がいた場所を利用しているケースもある。
魚の状態でも分けられますね。あきる野市(東京都)の「養沢毛鉤専用釣場」では、同じ成魚放流のニジマスでも禁漁期をはさんだ前年に放流された魚がいるわけです。そういうニジマスは放流したての魚とは姿もパワーも全然違う。ところが奥多摩川(東京都)本流の一区間を利用した「奥多摩フィッシングセンター」などでは、その区間に放流された魚がそのまま一週間生き残ることもむずかしいでしょう。
樋渡 ぼくが行きたいのは、なるべくその釣り場の水に馴染んだ魚が多くて、水生昆虫のハッチが多い、自然のサイクルにあった遊び方ができる「管理釣り場」です。だから「養沢毛鉤専用釣場」などは好きです。しかし、多くの釣り堀(管理釣り場)は、ただ単純に魚がいっぱいいるという感じだなあ…。たとえば丹沢の「リヴァスポット早戸」のような。
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シマザキ・ワールド7
Jurassic Flies 巨大フライのファンタジー
島崎憲司郎
今年(一九九九年)の夏、アメリカの数か所で『Confluence:art and the trout fly』と題したフライを含むFF関連アートのちょっとした展覧会が催されましてね(六月から八月にかけてコロラド州ボルダーのボルダー現代美術館とアイダホ州モスコーのアイダホ大学ピルチャード・アートギャラリーで同時開催、その後にアイダホのルイス・クラーク州立大で一部延長展示)。「Jurassic Flies(ジュラシック・フライズ)」ってのは、そのイベント用に面白半分でタイイングした巨大ファンシーフライなんです。
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スタンダード・フライ・タイイング図説(19)
アート・フリックと「レッド・クイル」
備前 貢
皆さんは今から二五年前ティムコ社から日本語訳が出版された「マスター・フライタイイング・ガイド」という本をご存知ですか。レフティー・クレー、カール・リチャーズ&ダグ・スイッシャー、アーネスト・シュバイバート、デイヴ・フィットロックなど…そうそうたるタイヤーたちがオリジナル・パターンのタイイングを紹介した、アメリカでベストセラーとなったフライタイイングの本です。
二五年前といえば、日本のフライフィッシングは暗中模索の時代です。ですから、この本の出版は、多くのフライフィッシャーマンにとって衝撃だったに違いありません。なにしろフライタイイングについてのほとんど初めての本だったわけですから。実際、今読み直しても、ほとんど古さを感じさせない内容です。
で、その本の編集総指揮を担当したのが今回の主人公、アート・フリックです。ということは、アート・フリックはアメリカのドライフライ発展期に大きく貢献したばかりでなく、知ってか知らずか日本のフライフィッシングの普及にも重要な役割を果たした人物でもあったわけです。
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ヒトの体に刺さった釣り針は糸で抜く
末永 仁
どっぷり浸かっていたはずのブラックバス・フィッシングからあっさり足を洗い、頭のてっぺんまでフライにのめり込んで三年半。未だフライフィッシングのあれこれについて「フライの雑誌」に登場するほどの者ではないのですが、「釣り針刺傷」については少なくとも茨城で一番(本当は日本一)だと思っているので、図々しくも本誌編集部のお誘いを引き受けて書かせていただくことにいたしました。
また、すでに原稿を書き上げていた時点で、「フライフィッシャー」12月号(140ページ)に加賀フィッシングエリアの倉上氏が釣り針の抜き方についての文章を載せておられたので、これを受けて医師の立場からもう一度書き直させていただきました。
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無能の釣り人
備前 貢
このまえの夜、ひさしぶりに一杯やりながらビデオで映画でも観るかとアパートから自転車で一五分ほどのレンタル・ビデオ屋に行って、えらいめにあった。
借りたいビデオを選んでカウンターに持っていき、ズボンのポケットに無雑作に突っ込んでおいたお金と会員カードを店員にポンと手渡すと、
「お客様、これでは貸し出しできません」
なんで? 返されたカードを見ると、銀行のキャッシュ・カードだった。
しかたなく、会員カードを取りにいったんアパートへ戻る。が、会員カードがない。あるはずの場所にない。どこにもない…。
夜も遅いし、諦めればいいものを、ないとなったらどうしても見つけないと気が済まない。軽い気持ちでビデオ屋に行ったのに、今はもうビデオを借りたくて借りたくて、必死に会員カードを探す。
手紙やメモを入れた箱をひっくり返し、領収証だの書類だのを入れた箱も床にぶちまけた。それでもないので押し入れのなかに積んである本まで全部ひっぱり出した。汗もかいた。
もう部屋じゅう探すところがなくなって、まさかここにはないやろな…とハックル・ケープをドサッと入れてある引き出しを開けると、そこにあった。
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タンゴを歌ったフィッシング・ガイド
増田千裕
彼に初めて出会った場所は、アルゼンチン最南端フェゴ島のウスアイアという町のスーパーマーケットだった。それまで面識はなかった。しかし、ぼくはその男がタンギートという一風変わった名のフィッシング・ガイドだとすぐにわかった。日本を出る前に友人から聞かされたフェゴ島での釣りの体験談に、彼の名は何度も出てきたし、その特徴ある風貌は写真で見て知っていたからだ。彼は客の受け入れ準備のために食料の買い出しをしていたのだった。
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