新しいスタンダード「クロスオーストリッチ」

某日、島崎さんの釣りに同行した。ロッドを持ったらいきなりスイッチが入って声をかけるのもはばかられるほど。シンプルなクロスオーストリッチ(本文参照)と例のシマケンコイルの組み合わせで一人で一番釣っていた。

『フライの雑誌』88号の編集後記にこう書いた。じつは昨日も島崎憲司郎さんの釣りにご一緒させていただいた。場所は88号のシマザキ・ワールド12にも登場した赤城山麓の管理釣り場だ。

〈『水生昆虫アルバム』に出ている虫は全部いる〉が経営者の自慢の池タイプの釣り場だが、昨日はターンオーバー気味で濁りが入っていた。だが魚たちは濁りの中でも時々見られる水生昆虫のハッチに合わせた行動をとり、その動きを読んだフライパターンにはげしく反応してくる。釣り人の観察眼が問われる面白い一日だった。

おれは上手だと自分で大言壮語する釣り人は多い。だがそう自慢する人の釣りを実際に見ると、誰かの真似だったり、せこかったり、視野が狭かったりと、がっかりさせられることが多い。しかもそんなにたいして釣れないものだ。

昨日、仲間4人の中でいちばん釣ったのは圧倒的に島崎さんだった。そして一日をとおして安定していて魚をスレさせずにむらなく効果があったのは、やはり「クロスオーストリッチとコイルの組み合わせ」だった。私もモラって使ったらえらい釣れた。一応言っておくと、自分で巻いて持っていったものでももちろん釣れた。

シマザキ・ワールド12では、とどまることなく進化しつづけている島崎憲司郎氏の最新状況を全16ページの大特集で知ることができる。新しいスタンダードフライ「クロスオーストリッチ」については『フライの雑誌』でしつこく追いかけたい。「コイル」が分からない方は『新装版水生昆虫アルバム』の特別付録をどうぞ。

島崎さんのクロスオーストリッチ・ボックス