『文豪たちの釣旅』(大岡玲著)

文豪たちの釣旅WEB上から注文する
※以下のサイトからも購入できます


e-hon
楽天ブックス

芥川賞作家 大岡玲が案内する
日本の文豪14人が描いた釣りと旅とその作品世界

「きちんと努力していけばきっと事態は好転する。
 少しはましな明日がやってくる」(本文より)

大岡玲(著)
新書判 288頁 本体価格1,143円
ISBN 978-4-939003-50-9

※カバー写真 高砂淳二

※amazonさんのマーケットプレイスにも出品しています
 新品・定価です。

※NHKラジオ第一「ラジオ深夜便」10/22-25 ないとエッセー〝文豪たちと歩く釣りの旅〟で紹介



こんな時代にゃ、釣りが必要だ。

日本の文豪14人が描いた釣りと旅の作品の舞台を、〝へなちょこ釣人〟を自認する大岡玲さんがみずから釣竿を手にめぐり歩きます。楽しい旅路の端々にふと一抹の切なさが顔をのぞかせるとき、釣りに心ひかれた文豪たちの背中が浮かび上がります。こんな時代を生きるひとの心をうるおす〝朝露の一滴〟となりますように。(編集部から)

【この本に登場する文豪たち】
開高健   幸田露伴   井伏鱒二   坂口安吾   戸川幸夫
岡倉天心  福田蘭童   山本周五郎  佐々木栄松  中村星湖
立原正秋  尾崎一雄   森下雨村   池波正太郎

【書評など】
東京新聞/中日新聞 書評 7/8FlyRodders 7月号 7/22Angling fan 9月号スポーツニッポン 7/30西日本新聞 書評 8/26千葉日報 9/12スミセイベストブック 11月号 9/24|NHKラジオ第一「ラジオ深夜便」10/22-25 四夜連続ないとエッセー〝文豪たちと歩く釣りの旅〟


【著者紹介】
大岡 玲 (おおおか・あきら)
1958年、東京都生まれ。東京外国語大学外国学部イタリア語学科卒業。同大学大学院外国語研究科科ロマンス系言語学修士課程修了。87年「緑なす眠りの丘で」で作家デビュー。89年に『黄昏のストーム・シーディング』で三島由紀夫賞を受賞。90年「表層生活」で第102回芥川賞を受賞。小説以外に書評、美術批評、映画批評、グルメ、釣りエッセイ、イタリア語翻訳などを手がけている。最近刊に『本に訊け!』(光文社)。2006年より東京経済大学教授。

【目次】
開高健    六十五センチの幻
幸田露伴   なんちゃって文豪、鱸釣りに行くの記
井伏鱒二   山椒魚の憂鬱
坂口安吾   釣り師という人種
戸川幸夫   自然は平等である
岡倉天心   夢を釣る詩魂
福田蘭童   乾いた不思議な笛の音が…
山本周五郎 「ぶっくれ」で「ごったく」で、でも、いとおしいこの世界
佐々木栄松  カムイの輝く光を浴びて
中村星湖   釣りは性欲の変形?
立原正秋   釣りで人は救われるか?
尾崎一雄   大きいことはいいことだ?
森下雨村   ありがタイのかフクの神
池波正太郎  水郷・江戸の面影はいずこに
余は如何にして釣人となりし乎

【あとがきから】
2011・3・11の大震災、とりわけ福島第一原発の事故によって、私たちが住むこの国は、すべてにおいて、これまでとはまったく異なる状況に足を踏み入れることになってしまった。本書は、釣りというごく他愛ない娯楽について書かれたものではあるが、しかし、「朝露の一滴にも天と地が映っている」とも言う。お手にとってくださった方に、そんな一滴が届けば、と願っている。

大岡 玲

…本の内容だが、釣り好きだった文人や画家たちの文章を読み解きつつ、彼らが体験した釣りを私が追体験するという趣向。といっても、すでに物故した昔の文人墨客ばかりなので、「追体験」といってもそっくりそのまま再現とはいかない。どころか、時の流れによる諸状況の変化以上に、私自身のへなちょこ釣人性がわざわいして、腰くだけの連続といった情けないありさまである。が、まあ、そのあたりも含めご笑読くださればと願っている。

…世界のすべての地域を、もうこれ以上「こんなに」しないよう、声をあげつづけること。まったく無力で何の効果もあげえない、という絶望感に苛まれても、とにかく黙らないこと。文弱の徒である私にできることといえば、そのくらいしかない。ではないですか、周五郎さん?

大岡玲ブログ〈昼あんどんの急ぎ足〉から、「周五郎の溜息が聞こえる」一部。

文豪たちの釣旅

WEB上から注文する
※以下のサイトからも購入できます
e-hon楽天ブックス