栃木県、解禁延期を要請した河川・湖沼でキャッチ・アンド・リリースでの釣りを試行(3/16発表)

栃木県 放射性物質のモニタリング検査結果 3/16追加分

・追加検査して3回連続で基準値を下回れば安全を確認したということで漁協への出荷・採捕停止要請を外すと、栃木県は言ってきた。迅速に正確な情報を提供するのが行政の仕事だ。さいきんの栃木県はがんばって調べている。

・実際のところ、広い川や湖の中でたまたま1匹捕まえた魚の数値を調べて100を超えたの100以下だの言ってても、魚全体の安全性をうんぬんする根拠にならないのは、誰が考えても分かる。汚染魚のルーレットを回しているようなもので、当たるも八卦、当たらぬも八卦。そもそも4月からの新基準値の100以下が「安全」かどうかが誰にも分かっていない。だって3月までは499でも「安全」だった。この先、基準値がさらに下がる可能性もある。海のほうではすでに茨城県漁連が自主基準値として「50以下」を設定した

・栃木県の指針だと、釣り人的には基準値を1ベクレルでも超えた魚がでると、そこの川と湖は禁漁のままだ。それは困る。だから検査が「汚染魚に当たらないでくれ」と祈る。でもそれって結局行政の指導に釣り人も乗っかっているのと同じという矛盾。問題の解決には1ミリも近づいていない。そんなこと言ったって釣りたいし、行政だって地元だって困っているわけだし。だったらどうせそんな内実の行政指導ならやめてしまって、いっそ自由に釣らせてくれればいいじゃん、ほっといてくれと、釣り人は言ってもいいのかもしれない。

・とはいえ、とりあえず上っ面を塗り込めて見えないことにしても、状況の本質は変わらない。今より少しはましな未来につながらない。やっぱり、何でこういうひどい事態になったかの、根っこの要因を見つめなおすのが筋というものではないか。次代の子どもらに恥ずかしい。

・放射能絡みでだれもが完全になっとくできる共通の正解なんてない。ひとりひとりがそれぞれ少しでも正解に近いと思うなにかへ自分をなっとくさせていくしかない。そこはすこし理性と友愛(!)でふんばらないと、いつのまにか原発の得意技である差別と分断にのせられてしまうから注意したい。ひとつ明白なのは、放射能絡みで観光客が減ったり周辺産業の売り上げが落ちるのは実害だから、事故の原因者である東電へ補償させるべきだということ。

・と、ここまで考えていたのは昨夜の話。今朝になってこんな新展開を知った。

「栃木県内で渓流釣りの解禁延期が相次いでいる問題で、県農政部は16日、対象河川、湖沼でキャッチ&リリースを試行することを発表した。監視体制強化などの条件を満たした区間に限定する。」(下野新聞 3/17
「渓流魚等の解禁延期を要請した河川・湖沼において、一定の条件のもと区域を限定した渓流魚等のキャッチ&リリースを試行することとしました。」
栃木県農政部リリース 3/16)

・放射能で汚染された魚だけれど、食べないなら釣ってもいいよ、という話。これが行政としてのひとつの落としどころなのだろう。イワナ・ヤマメ・ニジマスといった川と湖のマス類をルアーやフライで釣りたい釣り人には、釣った魚を食べるのが釣りする第一目的だという人はそれほど多くない。だからそういう釣り人には「釣りができる」ことはとりあえず歓迎されるだろう。釣り人の売り上げをあてにしていた地元の観光関係者さんも少しはホッとしただろう。中身をくわしく聞きたくて栃木県生産振興課にさっき電話したが土曜日で出なかった。

・個人的にはキャッチ・アンド・リリースの強制は釣りの自由度を阻害するというのが以前からの考えだ。とはいえ一切釣りができなくなるよりはもちろんマシだ。ただし、こんなことはあたりまえで言っても仕方ないのだが、リリースするなら釣りをしてもいいことになったからと言って、放射能汚染が消えたわけではまったくない。やはり未来のためには根っこの要因を見つめなおさないと・・・、の先ほどのループに続く。

・そして同時にこんな検査結果も発表された。たいへん残念なことだ。リリースで釣りができるようになってよかったね、ではやはりまったくない。

「日光市の男鹿川で採取したヤマメから1キロ当たり223・8ベクレルの放射性物質を検出したと発表。おじか・きぬ漁協に対し、川治ダムから下流と、道谷原発電所取水堰堤までの鬼怒川本支流の解禁延期を要請した。対象はヤマメ、イワナ、ニジマス。」(下野新聞 3/17