放射能汚染で渓流解禁延期。「どんな条件なら釣りができるのか」、栃木県に取材した(3/21)

栃木県内では、4月からの放射能汚染新基準の1キログラム当たり100ベクレルを超す放射性セシウムを検出される渓流魚が続出。各河川、湖に県から解禁延期要請が出された。栃木県からの要請が「水系ごと」での解禁延期だったこともあり、結果、栃木県内の主だった自然釣り場のほぼ全域で渓流釣りが解禁できない。

3/16、栃木県農政部は「既に渓流魚等の解禁延期を要請した河川・湖沼において、一定の条件のもと区域を限定した渓流魚等のキャッチ&リリースを試行することとしました。」と発表した。これは隣県の群馬県の対応とは異なるものだ。

では栃木県では「どんな条件なら釣ってもいい」のか。3/21、栃木県農政部生産振興課に聞いた。親切に対応してくださったのは水産担当主幹加賀さん(57歳)。

・栃木県は解禁延期を解除するための指針を提示していない。16日に示した内容がすべてだ。各漁協から提示される釣り場の管理運営方法について妥当かどうかを判断するのが県の立場だ。地元観光業や漁協にとって解禁できないのは死活問題であるのは理解している。

・看板などを設置し、監視がきちんとできる距離にかぎって、キャッチ・アンド・リリースでの解禁を試行する。監視がきちんとできる釣り場の距離は「数百メートル区間」ではないか。

・東古屋湖はちかく解禁になる。箒川のCR区間は24日に解禁する。その他の釣り場は未決定。中禅寺湖関係者からは数多くの問い合せを受けている。これから話し合いをする。

・出荷制限は食品衛生法にもとづくもので、漁業法の範囲ではないために、水産行政独自で判断できないことが多い。栃木県内水面漁場管理委員会は対応できていない。

・内水面魚種の出荷制限対象は厚労省指針に基づき、「ワカサギ/イワナ・ヤマメ・マス類/コイ類・フナ類・ウグイ・モツゴ類・ドジョウ/ウナギ/アユ/バス類/無脊椎動物」の7品目群にわかれている。品目群のなかでさらに細かく、魚種ごとに出荷制限を解除するのは考えづらい。たとえば同じ川や湖において、マスは解禁できないがヤマメだけは解禁するといったことは、漁法が同じこともあるし難しい。

・今回の事態は10年、20年続くものかもしれないが、長い歴史の中では一過性の問題と考え、栃木県の水産資源と水産業をたやさないように努力したい。利用者の安全安心を第一に考えつつ、すべての漁場で釣りができなくなってしまうのはいかがなものかと考える。新基準値が導入される4月以降で各県での対応が異なるのもおかしい。他県とも話し合いながらすすめていく。

(栃木県水産行政は、内水面漁業の発展と釣りの振興に長年努力して高い評価を受けている。その努力を無にした放射能汚染と原発についてどう考えるか)
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